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大学教育再生加速プログラム(AP)について

東京工科大学工学部のコーオプ教育プログラム(有給の学外就業体験)が、文部科学省による平成27年度「大学教育再生加速プログラム(AP)」のテーマⅣ「長期学外学修プログラム(ギャップイヤー)」に採択されました。

今回採択されたプログラムでは、平成27年度に新設した工学部において事前?事後教育を行い、約2ヵ月間のコーオプ実習を全学生に必修科目として実施します。これは「生活の質の向上、技術の発展と持続可能な社会に貢献する人材を育成する」という基本理念のもと実学主義教育を行ってきた本学が、長期学外学修プログラムによる主体的学修を促す必要性を重視した画期的な取り組みです。

コーオプ教育概念図

コーオプ教育の全容について

工学部の新設と東京工科大学型コーオプ教育プログラムの導入

工学部3学科(機械工学科、電気電子工学科、応用化学科)では、持続可能な社会を実現する実学として「サステイナブル工学」を教育研究し、それを実践できる力を養成する教育の柱として「コーオプ教育プログラム」を導入しています。 本学のコーオプ教育プログラムは、海外の大学で行われている「大学非関与型」ではなく、教育課程にしっかりと位置づけ、事前?事後教育を含めた教育プログラムとして提供する「大学プログラム型」です。学生はこのプログラムを通じて、働くことの価値観や協働で作業する力、責任ある主体的な行動力を身につけることが期待されています。また、学生自身が大学で学ぶ目的や目標を発見するなど、学修意欲の向上にもつながると考えられます。
さらに、コーオプ教育と並行して、高校の学習から大学の学修へと移行を促す導入教育「フレッシャーズゼミ」や多くの実験実習科目、PBL(Project Based Learning)形式で地域に関わる課題を発見し、課題解決を提案する「地域連携課題」等、主体的な学修の機会を増やすための教育課程を構築し、その定着に努めています。(図1 本コーオプ教育プログラムの流れ参照)

?事前教育
1年次後期に「コーオプ企業論」で経済社会と企業の仕組みを学ぶとともに、「コーオプ演習Ⅰ」のグループワーク等で主体的な学修力、行動力、コミュニケーション力を身につけます。学外就業体験前には、「コーオプ演習Ⅱ」で社会人としての心構えや就業マナー、学外就業体験先の調査?研究を行い、学生の就業目標に基づいて就業先とのマッチングを行います。

?学外就業体験
機械工学科は2年次後期、電気電子工学科?応用化学科は3年次前期に、「コーオプ実習」として2ヵ月程度(約8週間)のギャップイヤーを設け、企業等で学外就業体験を行います。この学外就業体験は、一般的に短期間(2週間程度)で実施されているインターンシップとは異なり、カリキュラムに基づいて就業先と大学間で就業プログラムが産学協働で作成されていることと、長期のコーオプ実習を行い、その間、就業先より賃金が支払われることが大きな特徴です。また、学外就業体験をより円滑に実施するため、コーオプ実習期間の全ての開講科目をクォーター開講します。

?事後教育
学外就業体験後は、「コーオプ演習Ⅲ」において就業体験を振り返り、改善提案や気づきなどをプレゼンテーションすることで主体的学修の定着を図り、以後の学修意欲の向上や就職活動に役立てられるよう指導していきます。

図1 本コーオプ教育プログラムの流れ

図1 本コーオプ教育プログラムの流れ
コーオプ実習の試行の実施とその評価

本学では、工学部へのコーオプ教育プログラム本格導入前に、応用生物学部、コンピュータサイエンス学部、メディア学部においてコーオプ実習を試行しました。(延べ35機関、65名の学生)
これによりコーオプ実習における各種課題を把握し、受入企業と学生とのマッチングや派遣中の学生の就業安全管理等に関するノウハウを取得することができ、万全の準備を整えることができました。また、受入企業からは、実戦力としての学生の貢献や、若い学生が職場に入り、職場が活性化した等の高評価を得たうえ、これら学生のうち数名は、受入企業から内定を得て、実際に就職したケースもありました。
一方、試行に参加した学生からは、企業での業務を経験し、実社会で必要とされているスキルを理解できたことで、実習後の大学での学修に役立ったといった意見が多く聞かれています。
また、本学としては、就業先企業との連携強化のため、コーオプ実習企業との情報交換の機会を設ける必要性や、新たな企業開拓?就業プログラムの構築、学生と企業とのマッチング、実習中の学生への支援等を行う専門人材が必要であることを痛感し、平成27年4月にコーオプセンターを設置しました。(図2にコーオプセンターの役割を示す)

図2 コーオプセンターの役割

図2 コーオプセンターの役割
期待される成果?展開

今後は、本学の取り組みに賛同する企業と協働で適切な就業プログラムを構築し、学生と受入企業のマッチングにおいて、いくつかのマッチングキー(専門分野との親和性や通勤距離等)を提示し、学生が主体的に企業を検討して適切なマッチングを行うこと、さらにコーオプ実習中の就業安全管理、危機管理への対応体制を構築することが必要だと考えています。
また、専門的な経験や知識のある人材等から、コーオプ実習に関わるノウハウやスキルを継承し、アドバイスを受け、本学教職員の運営能力や事務処理能力の育成?確保に努め、コーオプセンターを円滑に運営することで、コーオプ教育プログラムを工学部のみならず、他学部にも展開していきたいと考えています。

■概要図

概要図

■学事暦

学事暦