藤本実メディア学部助手とメディア学部3年生が「ももいろクローバーZ」のミュージックビデオにシステム提供
藤本実メディア学部助手が開発した無線ELワイヤー制御システムが、2012年11月21日に発売されたももいろクローバーZの9thシングル「サラバ、愛しき悲しみたちよ」のミュージックビデオ(MV)で使用されました。本シングルはももいろクローバーZ初のTVドラマ主題歌であり、発売前にYouTubeで公開されたMVは300万回以上再生され注目を集めています。
メディア学部の「コム?メディア?デザイン研究室」と「体験の拡張とデザイン研究室」では合同でProcessingを用いたプログラミング演習、Arduino等を用いた電子工作演習、工作機械を用いたものづくり演習を行っています。今回のMV撮影では、演習の一環としてメディア学部3年生の市岡侑子さん、大佐賀彩佳さん、森美樹さんが藤本助手のシステム開発に協力し、MV撮影に参加いたしました。
MV撮影に参加した感想
「私もMV撮影は初めてだったので新鮮なことばかりで今後の作品制作の良い刺激になりました。本番前にデバイスが急に動かなくなるといった問題も発生したのですが、学生の協力もあってなんとか無事に撮影できました。4月に着任したばかりであまり学生と長く話す機会がなかったのですが、システム開発から撮影まで多くの時間を学生達と共に過ごしたので学生が考えていることを知ることができた良い機会になりました。」(藤本助手)
「アーティスト含め、関係者全員の『より良いものを作りたい』という雰囲気が伝わってくる現場でした。時間をかけて撮影を重ねていくにつれて、少しずつMVが出来上がっていく様子に感動しました。生の現場を見るだけでなく、実際に撮影に携わるという貴重な経験ができて、本当に良かったと思います。」(森さん)
「もっと厳かな空気がずっと流れているのかと思っていたのですが、撮影の合間などでは笑い声や楽しそうな空気が流れていてオンとオフの切り替えがすごいなと感じました。カメラが回る時の緊張感は撮影裏にいた私にも伝わってきました。普段体験することのできないリアルな現場のお手伝いに携わることができていい経験になりました。」(市岡さん)
「初めて撮影現場を体験しました。様々な役職の人が常に動いていて、その一人ひとりがとても楽しそうに働いていました。めったに出来ないことなので、とても良い経験になりました。」(大佐賀さん)
ももいろクローバーZ用のシステム開発の感想
「3人の学生には主にハンダ付けやケーブル作成?アクリル加工などを担当してもらいました。最終的に光る衣装として完成したときには制御しているデバイスは衣装の中に隠れているのでわかりにくいですが、システム開発には地道な電子工作が必須です。抵抗やトランジスタ、インバータなど各種部品の役割を教えながら大量のデバイス作成を行ってもらいました。さらに、今回のように人の体にデバイスを取り付ける場合は、耐久性や安全性を考慮してデバイスを作成する必要があります。動いても簡単には壊れないようにケーブルやコネクタを作成する方法やハンダ付けのコツなどを注意しながら作業していたので、これから卒業研究を行う際に他の学生の見本となって活躍してくれることを期待しています。」(藤本助手)
「私は、主にハンダ付けとアクリル加工をしました。ハンダ付けでは、ハンダが隣のケーブルにくっついて干渉しないようにすることと、ハンダをきれいに盛ることが大変でした。アクリル加工では、たくさん積まれたアクリル板一枚ずつにヤスリをかける作業が大変でした。今回の経験を通して、卒業研究で人が身に着けても違和感のないくらい軽い装置を作って、体を動かして楽しめるようなものを作りたいと思いました。」(森さん)
「私はハンダ付けを主に担当していました。ハンダ付けは中学生の時に体験して以来やっていなかったので最初は失敗もしましたが徐々に出来るようになりました。細かい部分の接着がなかなかうまくできなくて大変でした。卒業研究ではこの経験を活かして電子工作を取り入れた作品を作りたいです。ハンダ付けだけでは制作できないので、電子回路の勉強にも取り組みたいです。」(市岡さん)
「中学生以来はんだごてを触る機会がなかったので、慣れるまでとても大変でした。徐々に完成に近づくものを見ているとわくわくしました。」(大佐賀さん)
プログラミング演習についての感想
メディア学部では一年生の「ビジュアルコンピューティングの数理入門」でCGや画像処理の数学とアルゴリズムの学習、「インタラクティブアートの基礎」では作品制作の学習、二年生の「CG制作の基礎」ではCGの理論を用いた作品制作を通してprocessingを学びます。ゲーム?CG?インタラクティブアートなど様々なプロジェクトにおいてプログラミングは必須であり、講義やプロジェクト演習などで一年生から卒業研究が本格的に始まる四年生まで、目的に合わせて基礎から応用まで学ぶことができます。
「3年生の卒業研究配属生には今回のようなシステム開発ができるようにProcessingを用いたプログラミング演習を行っています。音楽を再生したりテキストを表示させるといった内容のプログラミングを経験したことのある学生が多かったのですが、プログラミングの基礎の部分を理解できていない学生が多いという印象を受けました。プログラムのサンプルを少し改良して音声を再生したり色を変更する、といったことができても「画面上に表示した点が画面端まで動いて跳ね返る」といった基礎的なコードがすぐに書けない。基礎的なプログラミングの考え方を重点的に教えて、卒業研究が始まるときにはアイディアをプログラミングで実現させる、という力を身に付けてもらえたらと思います。」(藤本助手)
「プログラミング演習では、複雑な処理をどう実現するか、どのように命令を組み合わせればよいのかがわかるまでの時間がつらいです。それでも、いいアイデアが思いついたり、自分の書いたプログラムがうまく動作した時はうれしくなります!これからさらに経験を積んで、卒業研究では自分のイメージを十二分に再現できるようになりたいです。」(森さん)
「プログラミングが苦手なのでプログラミングの考え方というものがとても難しいと感じます。これは慣れるしかないと教わったので演習を通してできるようにしたいです。自分が思った通りに動いてくれたときはとても楽しいです。卒業研究では複雑なプログラムではなく、シンプルだけど面白いと思って頂けるような作品を作ってみたいです。」(市岡さん)
「初めは難しいと思ったものが、回数をこなすうちに自分で作れるようになるのが楽しいです。これから卒研で自分の作りたいものを実現できるように頑張りたいです。」(大佐賀さん)
■週末ヒロイン ももいろクローバーZ オフィシャルサイト
http://www.momoclo.net
■藤本 実 個人HP
http://www.dr-popeye.com
■メディア学部 コム?メディア?デザイン研究室
/info/lab/project/media/dep.html?id=55
■メディア学部 体験の拡張とデザイン研究室
/info/lab/project/media/dep.html?id=79
■メディア学部WEB
/gakubu/media/index.html
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