[学長メッセージ]第1回東京工科大学の理念と「実学主義(イズム)」
皆さん、こんにちは。東京工科大学学長の軽部征夫です。これから約1年間、受験生の皆さんに本学の情報やさまざまなメッセージを発信していきたいと思いますので、お付き合いをよろしくお願いします。
さて、第1回となる今号では、東京工科大学の掲げる理念についてお話ししましょう。大学というものは、どうしてその大学を作ったのかということを示す「建学の理念」を持っています。本学が創立されたのは1986年、いまからちょうど30年前のことです。しかし私がこの学校に来た15年前には、本学の理念はきちんと明文化されていませんでした。創立当初から理念をどうするかという相談は何度かされてきたものの、まとまらなかったのだそうです。
そこで私は副学長時代の2006年、5月の連休を利用して理念作りに取り組みました。じっくり考えて作り上げたのが以下の三つの具体的な理念です。
①実社会に役立つ専門の学理と技術の教育
②先端的研究を介した教育とその研究成果の社会還元
③理想的な教育と研究を行うための理想的な環境整備
①は設立時からの本学園の目的である実学教育を重視するということの表明です。そして片柳研究所という最新の機器が揃う優れた研究環境を持つ本学だからこその②。最後の③は学校として理想的な教育?研究環境を整えるという宣言で、実際に片柳理事長がそれまで行ってきたことです。
さらにこれらの理念を実際の教育に落とし込んでいくために、5つのミッションを掲げました。それが現在の3つのポリシーとラーニングアウトカムにつながっていくわけですが、それらについてはまた回をあらためてお話します。
この三つの理念を考えたときに、あわせて明言したのが「実学主義」という言葉です。どんな専門学校でも謳うただの「実学」ではなく、本学が目指すのは「実学主義(イズム)」だということ。この「主義(イズム)」のなかには、人間教育も含まれます。単に実学を学ぶだけではなく、論理的思考や創造力を身につけ、時代に柔軟に適応できるような人間性を作っていく。そういう人間育成も含めての実学であるという意味で「実学主義」としたのです。
この実学主義に基づく人間教育を目指す姿勢が、のちに「教養学環」の設立につながっていくのですが、それは次回、お話することにしましょう。