トピックス

Topics

東京工科大学 HOME> トピックス> 2014年のトピックス> [学長メッセージ]第3回「私たちの身近にあるサステイナブル技術 ―環境負荷が少なく、進化する技術を求める時代へ」

[学長メッセージ]第3回「私たちの身近にあるサステイナブル技術 ―環境負荷が少なく、進化する技術を求める時代へ」

2014年7月11日掲出

皆さん、こんにちは。今日は、前回お話しした“サステイナブル工学”の具体的な技術例を取り上げたいと思います。

前回、“サステイナブル工学”とは21世紀の工学であり、エネルギーや資源をあまり使わず環境破壊もしない、新しい技術であると説明しました。逆にこれまでの20世紀型の工学は私たちを豊かにする一方で、大量生産?大量消費のためにエネルギーや資源を大量に使い、環境破壊を引き起こす技術でもあったわけです。たとえば自動車にしても、日本が高度成長期の頃は、1台の自動車を5年も乗れば十分と考えていました。自動車メーカーもちょうど5年ごとに派手なモデルチェンジを行い、消費者に買い換えを促していたのです。しかし今では、車1台をだいたい10年は乗りますし、ほとんど壊れることはありません。つまり、よいものを長く使おうという時代に変わってきているのです。そういう時代に対応するには、品質を高め、長く使えるような設計に変えていかなければなりません。これも“サステイナブル工学”の分野だと言えます。

たとえば、トヨタのプリウスに代表されるハイブリッド車は、その典型でしょう。ハイブリッド車は自動車の燃費をよくするため、ガソリンを燃やして出たエネルギーをすべて回収し、動力エネルギーに再利用しようという発想のものです。回収したエネルギーをすべて電気エネルギーとしてバッテリーに保存し、車を発進させるときはそのバッテリーの電力を使い、加速したらガソリンエンジンに切り替えて走るというエネルギーの使い方になっています。また、自動車関連でもうひとつ例を挙げるなら、間もなく実用化されるだろう燃料電池自動車もサステイナブル工学を利用していると言えるでしょう。今、実用化が進められている燃料電池は水素を燃料とするものですが、水素は値段が高いなど、いくつか超えなければならない壁があります。それらをクリアできれば、水素と空気中の酸素を使って走り、水しか排出しない燃料電池自動車をつくることが可能です。

あるいは、こんなサステイナブルもあります。ちょうど2年前に国際会議でメキシコのカンクンを訪れたとき、イギリス人の知人に「イギリスではすでにサステイナブル技術を実現している」と言われました。聞いてみると、ロンドンのタクシーのデザインは50年前から全く変わらないそうで、5~10年ごとに車体はそのままで、エンジンや足回りなど交換が必要なところだけを新調するのだと言います。つまり必要な部分だけを変えるという行為もサステイナブルじゃないか? というわけです。確かにそれもサステイナブル(持続可能)だと言えますよね。

このようにサステイナブルな技術は非常に幅が広いのです。ロンドンのタクシーみたいに外側は変えずに中身だけ最新のものにするという発想もあれば、20世紀にはなかった方法でエネルギーをつくるという技術を追い求めるというものもあります。さらに想像を広げれば、自動車に風車をたくさん取りつけた風力発電で走る自動車や車体全体で太陽光発電ができる自動車をつくるといった夢のようなことだって考えられます。そんなアイデアを考えて実際につくってみるって、面白そうだと思いませんか? 

今日、お話したように、自動車ひとつとってもたくさんのサステイナブルな技術があり、その時代はもうすでに始まっています。そういうこれからの社会を支える新しい工学を学ぶことができるのが、東京工科大学の工学部です。