[2012年度]第9回「被災地支援は?専門分野の研究を活かして?“痛いところに手が届く"東京工科大学の活動とは? 」
皆さん、こんにちは。今回は、漁船の寄贈など本学の東日本大震災の復興支援活動と、震災発生時や避難先で被災された皆さんを助ける技術をご紹介します。
被災地支援活動として震災直後から続けているのが、本学同窓会による漁船の寄贈です。これは、ほとんどの船が流されて生活もままならない被災地の漁港へ「漁船を贈ろう」と、本学を運営する片柳学園が募金を呼びかけたことがきっかけで始まりました。そこで東京工科大学同窓会も賛同して漁船を寄贈することになったのです。
本学は、これまで、岩手?宮城に新しい漁船を寄付しています。昨年は、日本工学院と共同で7月に宮古漁協に2隻、9月に重茂漁協に定置網船1艘を寄贈することができました。
これまで本学は、“痛いところに手が届く”そんな支援を行ってきましたし、これからも行っていこうと考えています。
このような考えをもとに、各学部が専門分野の研究を活かして、防災や被災地支援に役立つ技術の開発に取り組んでいますので、いくつかご紹介します。
まず、災害発生時の避難に役立つ技術としては、デザイン学部?板宮朋基助教が中心となって進めている「津波等避難ナビシステム」。これは、スマートフォンやタブレット端末などを使って、地理データを中心に避難方向を示していくものです。
さらに、避難生活をサポートする技術としては、医療保健学部を中心に現在、福島県に工場のある八王子の企業と共同で、被災地の高齢者をサポートする活動を計画しています。東日本大震災の被災地では、避難生活を強いられた人々、中でも高齢者の方たちは、体を動かす機会や場所が限られていたり、狭いスペースで寝起きを強いられていたりする生活で、多くの人が体が動かなくなってしまったようです。そのような方々の力になれないかと思い、医療保健学部では、理学療法学科、作業療法学科などのリハビリテーションの技術を活かして、企業と連携して、さまざまな活動をしていこうと計画しています。
たとえば、ひとつのアイデアとしてあがっているのは、“歩行アシストロボット”。高齢者の方は長時間座って歩かないでいると、筋肉はどんどん落ち、数ヶ月くらいで歩けなくなってしまうこともあるのです。そんな時に、避難中に筋力が落ちてしまっても、歩行訓練を補助してくれるようなロボットがあると助かりますよね。
さらに、震災直後から続けてきた看護学科のボランティア活動と連携して、被災された方への身体的?精神的なケアの幅もさらに広げていきたいと思っています。
また、“ロボット”といえばコンピュータサイエンス学部のメカトロニクスコースが専門であり、以前から、福祉ロボットの研究に取り組んでいます。たとえば、高齢者にとって大変な移動をアシストする走行型のロボットや入浴時のアシストをするロボットなどで、生活をサポートするためのさまざまな研究を進めています。
このように各学部では、今までの研究を活かして、災害時に役立つ技術開発にさらに力を入れていきたいと考えています。