コーオプ実習レポート(工学部2024年度2期)
東京工科大学工学部では、すべての学生が実習期間7週間のコーオプ実習に参加します。コーオプ実習とは、有給での企業実習です。今回、2024年度2期のコーオプ実習に参加した電気電子工学科の小林信晴さんのレポートを紹介します。
コーオプ実習レポート
私は6月10日から7月26日までの7週間にわたり、鈴鹿電気コンサルタント株式会社でコーオプ実習をさせていただきました。
鈴鹿電気コンサルタント株式会社は三重県鈴鹿市に本社をおく株式会社鈴鹿グループのグループ企業であり、主に太陽光発電設備のメンテナンスや受変電設備の保安管理?保守管理、電気主任技術者の設備検査?点検のサポートを行う会社です。
私は実習において主に3つの業務を経験しました。1つ目は太陽光発電の遠隔監視です。監視サイトで各発電所が正常に発電を行っているのかを確認し、異常があればその発電所の状況を報告します。初めのうちは悪天候によって停止している発電所とキュービクル内の電気機器やパワーコンディショナ(PCS)の異常によって停止している発電所との違いに困惑したり、各PCSの稼働状態の見方が分からず時間がかかってしまったりしていましたが、丁寧に教えていただくことで判断をスムーズに行えるようになりました。太陽光発電は天候に左右され不安定であるため正常に稼働していないことも多いですが、わずかな異変であっても漏れなく正確に報告できるように集中して業務を行いました。
2つ目は目視とサーモメータによる太陽光発電のパネルのメンテナンスです。この業務は割れているパネルがあるかを確認することが目的であり、割れている箇所はホットスポットを生じさせ火災につながる恐れがあるため注意深く観察する必要があります。しかし、パネルの割れは明るさやパネルの設置角度によって見えにくい場合もあるため、サーモメータでホットスポットを探したり、ドローンを使用したりして点検を行うこともありました。私はパネル間を歩いて目視による点検を行うことが多かったのですが、太陽光発電所は基本的に水はけが悪い場所が多いため足場の悪いなか長時間歩くこともありとても大変な業務でした。
3つ目は自家用電気工作物の月次点検?年次点検です。この業務は工場や学校、太陽光発電所から自家用電気工作物の保安点検の委託を受けて行います。月次点検ではキュービクルに流れる電流や電圧の計測や放射温度計での変圧器の温度測定、クランプメータを使用した漏れ電流の大きさの計測が主な点検項目であり、計測値や目視での確認に加え、音で異常がないかを判断します。年次点検ではキュービクルを停電させて、清掃や各機器の絶縁抵抗(メガ)の測定や接地抵抗測定を行いました。これらの業務はキュービクル内に入って行うこともあるので普段よりも内部を詳しく見ることが出来、電気がどのように流れているのかの理解を深めることが出来ました。
これらの実習は三重県鈴鹿市で行ったため、企業のご厚意でアパートを用意していただきそこから職場へ通いました。そのため当初は普段とは異なる環境で過ごしながら実習を行うということに不安を感じていましたが、普段は見かけない街や景色を多く見ることが出来て良い気分転換になりました。また、休日は伊勢神宮などの観光地を訪れることでリフレッシュをすることが出来ました。
私はコーオプ実習を通じて太陽光発電施設などの電気工作物の原理や運転管理などの知識を身につけるとともに、社会人基礎力を身につけることが出来たと思います。実習期間中は多くの方とコミュニケーションをとる中でビジネスに必要な言葉遣いを学ぶことが出来ました。また、何度も報連相を行うことでメモを取るタイミングや伝えたいことを簡潔にまとめて連絡を行うことを意識できるようになりました。職場の方々が話しかけやすい雰囲気を作ってくださったため多くのことを学ぶことが出来、充実した実習期間を過ごすことが出来たと思います。お世話になった方々のような社会人になれるように実習経験を今後の就活や就職後に生かしていきたいと思います。
■コーオプ教育WEB:
/gakubu/eng/coop_edu.html
■工学部電気電子工学科WEB:
/gakubu/eng/el.html